虫刺されで、非常に強いかゆみが出るのがダニです。日本の家屋によくいるダニは「ツメダニ」「チリダニ」「コナダニ」。ツメダニは高温多湿な環境を好み、畳によく生息し、人を刺すことで有名です。チリダニはアレルギー性の喘息や鼻炎の原因となり、家の中のチリやホコリ、寝具に生息しています。コナダニは低温多湿、畳や流し台の下などに生息し、カビを好みにしています。
このように目には見えない小さなダニですが、家中どこにでもいます。全滅させることは難しいですが、数を減らすことはできます。ダニ被害は、雨が続きジメジメした時期になると、刺されたり、アレルギー性の喘息や湿疹が出ることが多くなりますが、これは湿度と何か関係があるのでしょうか?
そこで今回は、ダニと湿度の関係性を紐解き、そこからダニをよせつけない家作り、対策をお伝えします。ダニ被害でお困りの方、雨が続くとかゆくなる、咳が出る症状が出る方は、ぜひ読んでみてください。
ダニと湿度の関係性を解説!急増する温度とは?
ダニの発生条件は、湿度や温度に影響されるのでしょうか?それがわかれば、ダニの繁殖を抑えることができるかもしれません。ダニと湿度は大いに関係があることを説明します。
ダニは湿度60%、温度25℃で急増します
ダニが繁殖する湿度は60~80%と言われています。また、湿度も25℃になれば爆発的に増殖します。この湿度と温度、じつは日本の梅雨から夏にピッタリ当てはまる環境なのです。雨が多い梅雨、ムシ暑い夏、人間にとっては過ごしにくい時期ですが、ダニにとっては快適な季節です。
では反対に、夏が終わればもう安心かというとそうではありません。秋になるとジメジメはなくなりますが、死骸やフンが多くなります。夏に増えたダニが、増えた分フンも死骸も出ます。この死骸やフン、人間にとって重大なアレルゲンのもとなのです。咳が出る、クシャミが止まらないなど風邪ではない症状が出れば、ダニの死骸やフンのせいかもしれません。
そして寒い冬になれば、ダニから解放されるかというと、これもまた違います。冬も実は湿度が高いのです。原因は暖房器具です。部屋をポカポカにさせて、窓には結露がビッシリというご家庭も多いでしょう。それだけ湿度があるからです。湿度と温度、どちらも保たれる冬もまたダニにとって好都合となります。
ここまでで、ダニの好む湿度と温度がわかりましたが、反対にダニを減らす湿度温度もあります。それが湿度55%以下、温度20℃以下です。これがわかればダニを増殖させない対策もたてられます。
湿度を下げる方法
上記で、ダニの好む湿度と温度がわかりました。ここでは湿度を下げる3つの方法をお伝えします。
●換気をするとても簡単です。窓を開ける、換気扇をつけることで部屋の湿度を外に逃がしましょう。風の通り道を作るため、2か所の窓を開けるとより空気が入れ替わりやすくなります。しかし、雨が降っているときは窓を開けないでください。雨の日の外は湿度100%近くあります。雨の日に窓を開けても逆効果なので、エアコンのドライや除湿機能をうまく利用しましょう。
●炭を使う炭は湿気を吸収してくれます。ニオイも取ってくれるので、よく下駄箱や冷蔵庫に入れておく方も多いです。部屋の隅に、炭を置いておくだけで湿気とニオイ、両方に効果を発揮してくれます。炭がなければ、重曹でも同じ役割をしてくれます。
●エアコンを使うさきほど少し出ましたが、エアコンの除湿機能やドライ機能です。これで部屋の余分な湿度を下げましょう。もしエアコンがない、あまり使いたくない方は扇風機でも代用できます。扇風機の前に、凍らせた2Lのペットボトル2本を置きます。ペットボトルのまわりから水滴がこぼれてきますが、これが部屋にこもっていた湿気です。こまめに水滴をタオルで拭きましょう。エアコンよりも劇的な効果はありませんが、何もしないよりは湿度は下がります。
ダニが繁殖!環境と場所を見直そう
ダニが好む環境や場所があります。ダニを増やさないためには、ダニにとって住みづらい家作りをすることが大切です。どういったことに気をつければよいのかを解説します。
ダニの大好きな環境とは?
ダニにとって過ごしやすい、快適な環境について説明します。
●エサダニもエサがないと生きていけません。そのエサというのが、人間のフケやアカ、食べカス、髪の毛、ホコリ、カビです。掃除をしましょう。
●温度25℃前後の高い温度を好みます。20℃以下になるとダニの動きは弱くなりますが、死ぬのではなく、じっとしているだけです。ダニが死ぬ温度は、-10度なので、北国の方でないと冬でもなかなかこの温度にはならないでしょう。また50℃以上の高熱でも死滅します。
●湿度湿度60%以上がダニの好きな条件です。ダニは少々低めの温度でも、じっとしているだけで生きていられますが、湿度は低いと乾燥して干からびて死んでしまうのです。でも乾燥しやすい冬でも、部屋の中では布団やコタツなど高温多湿な場所があれば生きていけます。
ダニが繁殖しやすい場所は?
ダニにとって快適な場所であれば、どんどん増殖します。それは家の中のどこなのかを解説します。
●寝具人間は寝ているときに汗をかきます。ダニにとってとてもよい高温多湿の条件です。
●ソファー布製ならダニにとって、ちょうどよい温度と湿度が保たれる場所です。
●カーペットとくにウールや混紡素材は、湿気がこもりやすいのでダニは過ごしやすいです。
●畳湿気と湿度をちょうどよく含んでいる畳は、人間も寝転ぶと気持ちいいですが、ダニにも気持ちよい条件が揃っています。
●キッチンの食糧意外かもしれませんが、ダニは小麦粉など入り込みます。開封したものは必ず、冷蔵庫に保管しましょう。
ダニの被害に遭いたくない!効果的なダニ対策
ダニの好む条件がわかれば、次にやるべきことは対策です。これから繁殖させたくない方はもちろん、ダニがすでに繁殖している方も、今から間に合う対策法をお伝えするので参考にしてください。
●掃除機で吸い込む生きたダニも死んだダニも、死骸やフン、すべて掃除機で吸い込むことでダニが減らせます。アレルゲンの元もなくなるので手っ取り早い方法です。
●畳を干す畳を天日干しすることで、ダニは死滅します。畳を敷く前に、防虫シートも敷いておけばもっと効果的でしょう。
●布団乾燥機寝具はもちろん、カーペットでも使えます。布団乾燥機を使えば湿気を取り除き、乾燥させるためダニは死滅します。
●布製品は洗うカーテンや衣類など洗えるものは洗濯しましょう。ぬいぐるみやクッションもダニの温床になりやすいです。洗えないものは太陽に当てる、掃除機をかけるとよいでしょう。
●畳&カーペットのW使いはやめましょう畳の上にカーペットやラグを敷く家庭も多いですが、湿気がたまりやすいのでやめましょう。こまめに干す、丸洗いすることがおすすめです。
●薬剤を使う最終的には薬剤です。煙タイプ、スプレータイプなどいろいろ出ています。自分の家にあった方法で、注意事項をよく読み試してみるのもよいでしょう。
ダニでお困りなら専門業者へ相談するのもあり
ダニ対策法を解説してきましたが、これでは不安という方もいるでしょう。ダニが一度繁殖してしまうと、換気や掃除、洗濯をしても「もしかしてまだいるのでは?」と疑心を抱きます。また、家中にいるダニを駆除しようとしてもなかなかできることではありません。
ダニが繁殖して、自分では手に負えない、なんだかまだ不安、これからもし繁殖したらどうしよう、など心配な方は一度ダニ駆除の専門業者に相談をしてみるのもひとつの手です。ダニは小さく目に見えませんが、見えないからこそプロの技が必要なときもあります。知識や経験、実績のあるプロに対策をしてもらうことで安心できるのなら、おまかせするのもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?ダニと湿度の関係がわかり、それによって気をつけるべき点もわかりました。ダニにとって住みにくい環境にすることで、ダニの繁殖を抑えられます。どうしても天気や季節によって湿度が上がりやすいときもありますが、その中でも意識して湿度を下げることでダニの増加を防げます。
それでもダニが大量に増えてしまったら、ダニ駆除の業者に相談しましょう。刺される前に、アレルギー反応が出る前に対策をたて、過ごしやすい家を目指してください。