厚生労働省ではマダニに注意を呼びかけています。このマダニとは、ダニの一種になりますが、屋内での被害を与える一般的なダニとは別物になります。では、マダニとはどんな生きもので、どんな注意点があるのでしょうか。マダニの危険性と対策について紹介していきます。
マダニとダニの違い?
マダニとダニは見た目からして大きく異なります。つまり、ツメダニやヒョウダニなどの屋内のダニに比べて、マダニの大きさは10倍近くの大きさにあたります。具体的な大きさは吸血前で3ミリ前後、吸血後で数センチです。また、マダニの棲息圏は主に屋外になり、屋外で繁殖している菌類を媒体する恐れがあります。
マダニの生態は?
マダニの栄養源は血液のみで、長期間(1~2週間)をかけて吸血を行います。吸血相手は屋外で生息する動物などで、人間ももちろん吸血対象になります。草場に隠れて獲物を待ち、二酸化炭素などを感知して飛びついて吸血を行います。
市街地周辺
郊外地域
マダニの最も怖い点は死亡率の高い重篤な病気の感染源となっていることになります。以下にマダニが媒体する感染症について紹介していきますので、症状などが現れている場合は、即座に医療機関で医師の診断を受けることをおすすめします。
主な症状
マダニ寄生を受けてから1~2週間後に以下の症状が現れます
備考
2011年に特定された新種のウイルス(SFTS)によって起きる感染症です。国内でも死亡者がでており、厚生労働省が注意を呼びかけています。外出時はマダニ対策を行うとともに、上記症状を発症した場合は速やかに医院で診察を受けるようにしましょう。
主な症状
潜伏期間は2日から1週間程度と、症状が間違われやすいツツガ虫病リッチケアと比べて短い期間で症状が現れます。
備考
日本紅斑熱リッチケアという最近によって起きる感染症で、マダニの中にはこの病原体を保有している個体がいます。全国で毎年100人前後の感染者が出ています。
マダニは様々な感染症の病原菌を保有している危険性があります。この危険なマダニから身を守るためにはどうすれば良いのでしょうか。
【こんな場合は注意が必要です】
・レジャー活動中
マダニは自然界において、主に草場に棲息しています。そのため、キャンプ地のテント周りやハイキング先の山道に潜んでいる場合があります。
・野外作業(農作業・山林作業)中
マダニは農作物に棲息する、農業害虫としても挙げられます。農作業に限らず、庭木の剪定の際においても被害に遭う危険性があります。
【入浴も大事です】
マダニは子孫を残すために、1週間もの長い周期をかけて吸血を行います。しかし、マダニの厄介なところは吸血中に「あまり痛みがない」ことに集約されます。つまり、怪我のように傷口が染みることで発見することが難しくなります。そのため、屋外から帰った時にはきちんと入浴をして、洗い流すことを心がけてください。
服についていたとき
屋外で活動していると、しばしば服にマダニが付着していることがあります。そのため、自宅に入る前にまず目視でマダニの有無を確認しましょう。マダニの大きさは吸血前で約3ミリ。見かけた際には粘着テープなどで付着しているマダニを根絶し、住居内に持ち込まないように気をつけましょう。
皮膚についていたとき(噛まれていたとき)
マダニが皮膚についていたときはどのように対処を行えば良いのでしょうか。マダニ対処の注意点は以下の2点です。
①噛まれている場合は無理に取らない
マダニの口器は鋭く、刺し口を抜く際には細心の注意が必要です。無理に潰してしまった場合、マダニの体液が逆流し細菌を体内に取り込んでしまうこともあるので、、すぐに医療機関で診断を受けるようにしましょう。
②半月間、経過を見る
マダニから感染する症状の潜伏期間は長くて2週間にもなります。噛まれていない場合であっても、マダニを見かけた際には半月間は初期症状に気を使う必要があります。
マダニの被害は特に5月に多く、外出時には服装や忌避剤などで対策を採るようにしましょう。マダニが付着した際には念のために医療機関で診察を受けると共に、住居に侵入していないかどうかを確認することをおすすめします。
マダニは様々な動物に吸血するダニであり、他の動物や自身が保有している病原菌を感染させるリスクが非常に高い害虫です。この感染症の中には病状が重篤になる症状もありますので、外出時には服装などに気をつけると共に、見つけた際には相応の対策が必要です。マダニを見かけた際には、近くにマダニの繁殖地域が存在していることがありますので、不安な方は害虫駆除業者などの有識者に依頼をして、適切な対策・対応を行ってみてはいかがでしょうか。