布団や湿度の高いところに生息するダニですが、繁殖するのは梅雨や夏場のイメージです。しかし近年、梅雨や夏場以外の冬場でもダニが発生する事例があります。
寒さに弱いはずのダニがなぜ発生してしまうのか。もしかしてダニが進化したのかも!?なんて考えていませんか?実は、ダニが冬でも繁殖できるのには、ある理由があるからなのです。今回はそんなダニの季節ごとの発生条件や、ダニを駆除するための対策方法をご紹介していきます。
目次
ダニが冬に大量発生?その原因とは
寒い季節で冬眠をするはずなのに、ダニが発生してしまう原因とは一体何なのでしょうか。まずは室内にいるダニには、どんな種類がいて、どのような条件で発生してしまうのかからご説明いたします。ダニについて、生態から詳しく知っていきましょう。
住宅で被害にあいやすいダニは主に4種類
室内で繁殖しやすいダニは、以下の4種類です。
●ヒョウヒダニ
チリダニとも呼ばれるダニで、主に枕や布団、カーペットなどに発生します。
●コナダニ
高温多湿を好む繁殖力の高いダニです。主に食品や畳などに発生します。
●ツメダニ
ヒョウダニやコナダニを餌にして繁殖するダニです。稀(まれ)に人に刺してくる場合があります。
●イエダニ
ネズミなどに寄生するダニで、夜間や暗い場所で活動をし、人に刺して吸血します。
ダニが発生しやすい3つの条件
ダニが室内で発生しやすい環境は以下のとおりです。
● 20℃以上の暖かい温度
● 55%以上の湿度
● エサが豊富にある場所
高温多湿でそれぞれの種類のダニの餌があるようなところでは、ダニは季節関係なく、いつでも繁殖してしまいます。
ダニにとって快適な環境が冬でもそろいやすい
高温多湿な場所ならダニが繁殖しやすい。しかも季節問わず高温多湿になると、ダニが繁殖するのですから、冬場でも高温多湿になればダニは発生します。ところが、冬季であってもダニが繁殖しやすい条件が揃ってしまっているのです。その答えは、私たちが生活している部屋の中です。
冬場は寒いので暖房をつけます。人が快適に感じる暖かさが、ダニにとっても繁殖しやすい温度ですので、ダニにとっての「高温」の部分はこれでクリアしました。
そして湿気の件ですが、「冬場は乾燥する季節なので大丈夫なのでは?」と思いがちでしょう。しかし、部屋の中に加湿器を置いていたりしませんか?乾燥する季節だからこそ、私たちは加湿器で湿度をあげています。
のどの痛みや風邪対策などで、加湿器を使う人もいることでしょう。そして、窓を開けると寒い風が吹くので窓を閉めっぱなしで換気をあまりしていなかったら...、十分な湿度が保たれます。これでダニにとっての「多湿」もクリアしてしまいました。
これに布団を干したり洗うことをしなかったら、「豊富なエサ」までクリアしてしまいます。こうなってしまうと、ダニの繁殖を止めることは難しいでしょう。
冬場を快適に過ごし、布団のケアを少し怠けてしまっただけで、ダニは発生し繁殖してしまうのです。
寝室は季節問わず繁殖しやすい場所
暖房や加湿器をつけている場合は、冬でもダニが繁殖します。そして、その中でもとても繁殖しやすい場所が寝室です。
ダニにとって布団や羽毛布団は、温度も一定の暖かさを保たれます。人が寝ているときにかく汗で、湿度も上がるでしょう。また、ダニにとっては皮脂も栄養になりますので、エサにもこまりません。
そういった意味で布団や羽毛布団はダニが繁殖しやすく、寝室はダニが増殖する温床になってしまうのです。
ダニ被害のタイミングの傾向は異なるってほんと?
冬場でもダニが発生するということで、一年中ダニが発生するというのが確定してしまいました。
そんなダニなのですが、実は季節によってダニの被害内容が変わっていくのです。ここからは、季節ごとのダニの特徴を説明します。これを読んで今の季節にあったダニ対策を考えてみてください。
ダニがもっとも増える時期は春~夏
春から夏にかけては、一年で最もダニが発生する時期です。気温的にこの季節はダニにとって最高の環境になります。
また、梅雨の時期になると湿度もあがってきてしまいます。春~夏、特に梅雨の時期はダニが増えるピークシーズンといえるでしょう。
ダニに刺されやすくなる時期は夏~秋
夏から秋にかけての季節は、ツメダニやイエダニが繁殖し活発に活動します。そのため、ダニに刺されてしまいやすいのもこの季節です。ダニのほか蚊なども活動していますので、虫刺され対策を十分におこなっておくのがよいでしょう。
アレルギーが起きやすい時期は夏~秋
またダニの影響でアレルギーになりやすい季節も、夏から秋といわれています。ダニから発症するアレルギーの主な原因は、ダニの死骸と糞です。ダニの姿自体肉眼では判別が難しいもの、それが死骸や糞ともなるとなおさらでしょう。気付いたときには呼吸を介して吸ってしまっています。
死骸や糞を吸うことが原因で、アレルギーに感染してしまいます。夏から秋にかけての時期は、梅雨の時期、大量に繁殖したダニに寿命が訪れたり、排泄した糞が空気中に舞い体内に入ってきたりするのです。
ダニの被害にあわないためにすべきこと
一年中発生し、季節によって活動の仕方が変わってくるダニですが、日頃から高温・多湿・豊富なエサの条件を満たさなければ、ダニは発生しにくくなります。そんなダニが住みづらい環境を、室内に作っていきましょう。
室内の温度・気温に気をつける
高温をダニが好むのであれば、低温の室内づくりをしていけば、ダニは発生しにくくなります。夏場でしたら冷房などで対策を、冬場は暖房をつけっぱなしにせず、室内の温度を下げる習慣をつけていきましょう。
こまめな掃除をおこなって餌を与えない
ダニの中には人間の表皮、皮脂などをエサとして好むのもいます。また、床やカーペットのホコリやダニの死骸なども、ダニのエサになってしまいます。こまめな掃除をしてエサとなる皮脂やホコリ、ダニの死骸を少なくしておけば、ダニの繁殖も少なくなるでしょう。
床以外にエアコンのフィルターも、こまめに掃除してください。エアコンのフィルターにホコリが溜まっていますと、エアコンを運転するたびに、ホコリが舞い散ってしまいます。
また、ダニの死骸はアレルギーの原因にもなりますので、アレルギー対策としてもこまめな掃除は必要です。
定期的に換気をおこなう
ダニは湿度の高いところを好みます。一定の湿度まで上がらないように、定期的に換気をして空気の入れ替えと、室内の湿気を取りましょう。どうしても湿度をさげにくい場所は、除湿剤を使うのもオススメです。
発生しやすい布団をしっかりと洗う
布団はダニにとって、最も繁殖しやすい場所です。つまり、ダニ対策で最も大事な場所のひとつが布団になります。
寝室の布団は寝汗などで湿度も高く、エサとなる皮脂も付着しやすいです。定期的に掃除機で吸い取ったり、洗濯をして皮脂を取り除いたりしてください。また天気のよい日に布団の日干しをして、布団自体の湿度もさげていく習慣をつけると、効果的なダニ対策となります。
シーツを洗濯して日干しをした布団はフカフカで、眠るときより一層心地よいです。布団をきれいにすることはダニだけでなく、快眠の手伝いもしてくれる、一石二鳥の行動ではないでしょうか。
まとめ
・ダニは実は冬でも発生し活動をする
・冬でも活動する原因は暖房機器や加湿器、換気をしない事が原因
・ダニは春から夏にかけてが一番発生しやすく、夏から秋にかけてはダニに刺されやすい季節
・ダニ対策は高温・多湿・豊富なエサの環境を作らないことが大事
・室内温度を20℃以下にしたり、こまめな掃除や換気をする
・室内でダニが繁殖しやすいところは寝室
・衣類・布団は洗濯や日干しをしてできるだけ清潔で乾いた状態にしておく