私たちの生活の中で、害虫と呼ばれるものの代表にはダニがあります。ダニは目に見えないくらい小さいものが多く、目に見えないからといって侮っていると人を刺してきたり、アレルギーや感染症につながる恐れもあります。快適な生活を過ごすためには、そんなダニに繁殖してもらいたくはないところでしょう。
今回は、ダニに対する対策や駆除方法をご紹介していきます。これを読んでダニの特性だけでなく、対処法や駆除の方法、再繁殖させないための予防方法を知っていきましょう。
目次
ダニ退治をする前に…ダニの特性を知りましょう
ダニを駆除する方法をご紹介する前に、まずダニについて詳しくなっておきませんか。ダニの特性がわかれば、効果的な駆除の方法がわかるだけでなく、特性に合わせた応用もできるかもしれません。
まずは一緒に、ダニについて詳しくなりましょう。
被害をまねくダニの種類
私たちの生活の中で生息し繁殖している主なダニは、以下の種類になります。
● チリダニ(ヒョウヒダニ)
布団やソファー、カーペットなど部屋の中のさまざまな場所に生息するダニです。目に見えないほど小さく、チリダニの死骸や抜け殻、糞が原因でアレルギーを引き起こす場合があります。
● コナダニ
コナダニはキッチンにある食料を主食にします。人を刺すことはないのですが、コナダニが大量に発生するとツメダニが繁殖してしまいます。
● ツメダニ
チリダニやコナダニをエサにして繁殖します。ごく稀(まれ)に人を刺す場合があります。
● イエダニ
ネズミなどの小動物に寄生するダニです。ネズミなどの寄生するところがなくなると、人も刺してきます。
● マダニ
屋外に生息する目で見えるサイズのダニです。マダニに噛まれると1~2週間くらい吸血され続けます。また感染症を引きおこす可能性があり、最悪の場合、死に至ります。
ダニが好む空間とは?
ダニは基本的に高温多湿を好みます。具体的な室温でいいますと22℃~28℃、湿度は60%~85%くらいになります。ちょうど梅雨のジメジメした時期くらいが、ダニにとっては快適な環境です。
室内でダニが発生しやすい場所は、布団やシーツなどの寝具です。布団は敷布団、シーツともに寝汗を吸い湿度もあります。保温性も高いので高温状態を維持できます。
また、眠っているときに布団や枕に落ちる髪の毛やフケが、ダニにとっての格好の餌になります。そういった意味で、寝具はダニにとって一番繁殖しやすいところなのです。
布団やシーツなどの寝具以外で、ダニが繁殖しやすい場所はカーペットやソファーです。フローリングの隙間もダニは繁殖しやすいといえます。
ダニから受ける被害
室内の害虫であるダニの被害には、いったいどんなものがあるのでしょうか。ここからは、ダニの被害についてご説明させていただきます。
● 衛生面の低下(コナダニ)
コナダニはパンや小麦粉などの食料に繁殖します。コナダニは人を刺すなどの被害はありませんが、一年中活動し、とても繁殖力が高く、またアレルギーの原因になりますので、注意が必要です。
● アレルギー
チリダニやコナダニなどの、目に見えない小さなダニの死骸や、糞などがアレルギーを引きおこす原因になります。布団などは定期的な清掃が必要になります。
● 刺される(噛まれる)
イエダニやツメダニ、マダニなどは人間を刺したり、噛んだりしてきます。また、イエダニやツメダニに刺された場合は、強いかゆみと腫れに襲われます。マダニの場合は1~2週間吸血し続け、感染症になる場合もあります。
【駆除】ダニを徹底除去してしまう方法
目に見えない大きさで人を刺し、かつアレルギーなどを引き起こしてしまう可能性のあるダニは、徹底的に駆除していきたいものですよね。
ダニは正しい方法を知らないと、ちゃんと駆除できません。ここからはそんなダニの弱点と、駆除方法についてご紹介していきます。
方法1:熱で駆除する
ダニは人が快適と思う気温を好みますが、高温には弱いです。50℃以上の熱を浴びると死に至ります。この弱点をついてダニの駆除をしていきましょう。
● アイロンのスチームとドライヤーの併用
ダニが繁殖しやすい寝具やカーペットなどにスチームアイロンをあてるのは、とても有効な駆除の方法になります。また、衣服にスチームアイロンをかければ、ダニの駆除としわ伸ばしもできて一石二鳥でしょう。
また、スチームアイロンをあてた後にドライヤーの温風をあてると、より強固にダニの駆除ができます。ドライヤーはスチームによる湿気除去の役割も果たしますので、ダニの発生防止にもなります。
● 洗濯乾燥機
大きいシーツやマットレスなどは、コインランドリーの業務用乾燥機の熱でダニを駆除することができます。
コインランドリーにある業務用の乾燥機は、一般家庭にある乾燥機よりも高温の熱で乾燥します。そのため、ダニも一緒に駆除できます。洗濯し乾燥機まであてた布団で寝るのはとても気持ちよいので、快眠の手伝いにもなりますね。
● クリーニングに出す
ダニが潜む衣類やじゅうたんの中には、洗濯・乾燥やアイロンの熱に弱いデリケートな素材もあります。そういった素材はクリーニングに出すとよいでしょう。クリーニング代がかかってしまいますが、その分丁寧に扱い、熱処理までしてくれます。
方法2:熱をあてられない場合の駆除
ダニは熱に弱いのですが、熱を与えると変形したり、色落ちしてしまう素材にも生息します。熱で駆除ができない場合は、ダニ駆除用の薬剤を使用するのがよいでしょう。また、ダニをおびきよせる駆除マットというものもあります。
駆除マットはダニを集めるまでに時間がかかりますが、安全で効果的な駆除方法のひとつといえます。
駆除後の処理も忘れずに…アレルゲンを取りのぞく
熱処理をしてダニを駆除した。これでダニの処理が一件落着というワケではありません。ダニの死骸や糞などが原因で、アレルギーを引き起こす場合もあります。ダニは死骸の駆除まで徹底しましょう。
● 掃除機で吸い取る
シーツやマットレスなどに熱処理をしたものは、その後掃除機で死骸を吸引する方法がよいです。掃除機での吸引は水洗いと違い、乾かす手間もありませんので、時間の短縮にもなります。
● 洗濯
衣類に付着したダニを熱処理したあとは、洗濯機で洗い流すのがよいでしょう。ただし、洗濯機の中に衣類を詰め込みすぎると、洗い流したダニがほかの衣類に付着する場合がありますので、注意が必要です。
じつは間違った駆除方法もある
ダニの駆除は正しい方法でおこなうことが、肝心になります。なぜなら、正しいだろうと思っておこなった駆除の中には効果がない方法もあるからです。
ここからはそんな、間違った駆除方法の一例をご紹介していきます。
● 掃除機だけでは確実性が低い
ダニの付着している寝具やマットレスなどに掃除機をかけることで、ダニの死骸や糞は取り除かれるのですが、生きたダニを吸い取りきることは難しいです。
繊維にしがみついて、掃除機の吸引力から逃れるダニもいます。また、ソファーなど繊維が深い素材の場合は奥のほうに逃げてしまいます。そのため、ダニ駆除として有効な方法とはいえないのです。
● 日光に当てる駆除はあまり効果がない
ソファーや敷布団などの水洗いができない素材は、日干しで日光に当てるとダニが熱処理できるように感じるのですが、実は違います。
まず、ダニは暗い場所を好みますので日光から逃げようとします。また、ソファーや敷布団などの分厚い素材は、深いところに隠れることができます。そのため、日干しをするとダニの駆除ができるどころか隠れてしまうので、逆効果となってしまうのです。
【予防】もう悩まない!ダニを寄せつけない方法
ダニを駆除するよりも、一番大事なことはダニを室内に寄せつけないことでしょう。そんなダニの繁殖を予防する方法について、これからご紹介させていただきます。
換気・清潔感の維持でダニが住みにくい室内環境を目指す
ダニは高温多湿の環境を好みます。ということは、逆に温度が低い場所や湿気が少ないところには繁殖しにくくなります。
そのため、ベッドや布団などの寝具の乾燥が鍵となるでしょう。また、押し入れやクローゼット、棚の部分を定期的に掃除し、風通しをよくすることがダニの繁殖を防ぐ方法となるのです。
ほかにもカバーを取り付けることによって、ダニを付着させない方法もあります。カバーは取り外して洗濯もできますので、ダニの駆除もしやすくなります。
バーブやミントで寄りつかせない
ダニはハーブのにおいやミント、レモンなどのにおいが苦手です。繁殖の予防効果も見込めるでしょう。室内の香りもよくなりますので、オススメの予防対策といえます。
忌避・駆除グッズを利用してみる
さまざまな素材や状況に応じた、ダニ駆除やダニを予防するグッズが市販されています。ダニに対して効果のあるグッズですので、ピンポイントな場所で気になるところがある場合などは、ダニ駆除グッズを購入して駆除や予防をするのもひとつの方法になります。
家具などを変えてみる
ソファーやベッド等の寝具や畳などにダニが繁殖して手に負えない状況や、家具自体の老朽化が進んでいる場合は、いっそのこと廃棄して新しい家具にかえるというのはいかがでしょうか。
家具を購入する分費用はかかってしまいますが、駆除の手間がかからず、部屋の中も一新です。新しい家具にかえた際は、ダニの予防対策を忘れずにおこなってください。
業者に依頼して予防をしてもらう
「自力でのダニ予防していても、目に見えないダニをちゃんと予防できるか不安…」という人は、ダニに対応している業者に予防を依頼するものよいでしょう。
ダニ駆除のプロなら、さまざまな状況にも対応するノウハウがありますので、予防だけでなくアドバイスも貰えるはずです。
まとめ
● 日常に潜むダニの種類は多種多様
● ダニが好むのは高温多湿の空間
● ダニによる被害は衛生面の低下、アレルギー、刺されるなどが代表
● ダニを駆除するときはアイロンやドライヤー、洗濯乾燥機を用いる
● 死骸や糞は掃除で吸い取る、もしくは洗濯をする
● ダニの予防は換気や掃除、ハーブの香りで対策すること
● 場合によっては忌避剤や駆除グッズを用いるのが効果的
ダニは家の中で目に見えなく繁殖してくるので、厄介な害虫のひとつといえます。またアレルギーやかゆみや腫れの原因がダニの場合もあります。今回紹介したダニの駆除や予防方法を活かして、快適な生活をおくりましょう。