お部屋を彩るカーペットやじゅうたんは、寒くなる季節には特に重宝します。そんなカーペットやじゅうたんは掃除機をかける程度で、洗濯するのは年に数回くらいという人が多いでしょう。カーペットの掃除がおろそかな場所ができてしまうと、害虫が繁殖してしまいます。
カーペットに潜んでいる害虫といえば、ダニが代表的ですね。しかし、カーペットの中にはダニ以外にも害虫が潜んでいます。そしてその害虫が原因で、アレルギーなどを引き起こしたりする場合もあります。
今回はカーペットに害虫が潜みやすい原因や、潜む害虫には主にどんな種類がいるのか。また、ダニなどの害虫を駆除するための対策や、繁殖させないための予防方法について、ご紹介させていただきます。
目次
まずは害虫の種類を知る
カーペットに繁殖する害虫といえば、主に「ダニ」「ノミ」「トコジラミ」がいます。まずはダニ、ノミ、トコジラミの3種について細かく説明していきます。
もっとも被害にあいやすい「ダニ」
家庭内に潜むダニは、目に見えないくらい小さなものがほとんどです。ダニの種類によっては人を刺したり、中には吸血してくる種類もいます。
部屋の中などに繁殖する主なダニの種類は、「ヒョウヒダニ」「コナダニ」「ツメダニ」「イエダニ」「マダニ」です。
カーペットやソファー、畳や布団などに発生するのはヒョウヒダニとツメダニです。また人に刺してくるダニはコナダニ・ツメダニ・イエダニ・マダニです。
ヒョウヒダニの死骸や糞が原因でアレルギー引き起こす場合がありますので、掃除機で吸いこむなどのこまめな掃除が必要です。
ペットを飼っている方は要注意な「ノミ」
犬や猫などのペットを飼っているかたは、ダニと共にノミも注意するべき害虫といえます。主なノミの種類は「ネコノミ」と「イヌノミ」で、人に寄生する被害は少なく、犬や猫、鳥などの小動物に寄生しやすいです。
近年被害が増加中!隙間にひそむ「トコジラミ」
トコジラミは近年海外で大繁殖し、その影響で日本でも増殖している害虫です。主に布団やカーペットなど高温多湿の場所に繁殖します。
幼虫から成虫まで吸血するのが特徴で、1年中活動をしています。夜行性で暗くなると活動をし、ベッドや畳などの隙間といったごくわずかなスペースに潜んでいます。
カーペットは害虫の温床になりやすい?
「ダニやノミ、トコジラミがカーペットに潜んでいる」というのはわかりました。ではなぜ、カーペットは害虫が繁殖しやすいのでしょうか?ここでは、カーペットが害虫の温床になりやすい原因について、説明させていただきます。
カーペットよりも床材のほうが危険?
カーペットに害虫は潜んでいるというイメージなのですが、実はカーペットとフローリングの両方に害虫は潜んでいます。また床材によってはカーペットよりもフローリングの方が害虫が多い場合もあるのです。
まずなぜフローリングに害虫が繁殖しやすいかといいますと、フローリングの床材は何枚もの床材を貼り合わせています。その張り合わせでできた溝を隙間にして繁殖をしていきます。
そしてカーペットに害虫が多いイメージになるのは、そんなフローリングに生息している害虫と、カーペットに生息している害虫が合わさり、数が倍増しているからです。カーペットは床材のうえに敷くものですよね。
害虫対策はカーペットだけではなく、フローリングにも必要であるといえます。
カーペットが害虫の温床になりやすいわけ
カーペットに害虫が集まりやすいのは、以下のことが原因に挙げられます。
● 害虫の餌となるホコリやごみ、髪の毛などが付着しやすいので栄養分を採りやすい
● 湿気が集まりやすいので、害虫が生活しやすい環境になる
● 洗濯頻度がひくいため、害虫にとって命の危険性が少ない
食べ物が豊富で快適な気候、そして天災が訪れにくい。つまりカーペットは害虫にとって楽園ですね。これは害虫も繁殖します。仮にカーペットに防ダニ効果と書いてあっても、ダニ以外にノミやユカジラミにとっても楽園なので繁殖します。
防ダニカーペットなのに害虫が繁殖するのも、これで納得がいくでしょう。
日ごろからのお手入れがもっとも大切
害虫にとっての楽園がカーペットである、とわかってしまった以上、しっかりとした対策をとらねばなりません。カーペットのお手入れをしていきましょう。
● 清掃
カーペットのお手入れとしては、こまめな掃除が第一です。定期的に掃除機を使用し、ゴミやホコリと一緒に害虫を吸い取りましょう。
また、掃除機では害虫が吸い込みきれない場合もあります。そういった場合は洗濯や日干しをして、汚れ以外に湿気まで除去しましょう。
● 片面ずつめくって、湿気がこもらないようにする
カーペットやじゅうたんは湿気がたまりやすいです。換気のひとつとして、こまめに片面ずつめくるようにしましょう。
また、害虫はカーペットだけではなくフローリングにも生息しています。つまりはカーペットの裏側にも、害虫は潜んでいるのです。
もう被害にあわない害虫対策!カーペット編
「カーペットに繁殖する害虫」「カーペットに害虫が発生する原因」「カーペットの害虫対策」までご紹介しました。残すところは「害虫の駆除方法」と「害虫を繁殖させない予防方法」です。これを知ればカンペキです。さあ、害虫駆除と害虫予防の知識を得て、安心して過ごせるカーペットにしていきましょう。
ステップ1.市販の駆除グッズや身近なもので害虫を駆除する
ダニやノミ、トコジラミの天敵のひとつに水があります。害虫といえども呼吸をしていますから、水の中では溺れてしまうのです。また熱にも弱いという特徴があります。50度以上のお湯にカーペットをつけたり、コインランドリーの業務用洗濯機で洗うと、一気に駆除ができます。
また、小さめのカーペットであれば、天日干しもひとつの駆除方法です。ほかにスチームアイロンで熱を与える方法もあります。
市販のダニ用スプレーや燻煙剤(くんえんざい)もよい手段となりますが、最近薬剤耐性の高い害虫も発生しており、駆除をしきれない可能性もあります。薬剤で駆除する場合は複数の駆除方法を組み合わせると、より確実に駆除ができるでしょう。
ステップ2.掃除機で害虫・死骸・糞を取りのぞく
害虫を駆除した場合でも、死骸が残ってしまっていては、ダニの死骸が原因でアレルギーを引き起こす可能性があります。アレルギーを起こさないためにも、掃除機で害虫や死骸、糞を吸い込んで取り除きましょう。
掃除機で吸い込む場合は、死骸や糞は取り除きやすいのですが、害虫自体はカーペットの繊維や毛にしっかりつかまって吸いきれない場合があります。掃除機で吸い込むタイミングは、害虫駆除作業をおこなったあとが最適でしょう。
ステップ3.身近なものやちょっとした心がけでカンタン予防
生活の中にある身近なものでの害虫駆除の方法は、重曹の使用です。カーペットにお湯や水などで薄めた重曹をスプレーし拭き取りましょう。そしてそのあと掃除機で取り除けば、害虫の死骸だけでなく洗浄や消臭効果まであります。
また、害虫の繁殖を予防する方法としましては、レモンを消毒用アルコールにつけた液体をスプレーで吹き付けると、害虫を寄せ付けない効果があります。これはダニが死滅したとき、危険を知らせるサインとして出す臭いが、レモンの成分に似ているのが影響しています。レモンのチカラで害虫が引き寄せられにくくなるのです。
そして、一番の害虫駆除と対策になるのが部屋をキレイにしておくことです。また、湿気も害虫の繁殖する原因となります。こまめな換気と定期的な掃除をしていくことが、大事になっていきます。
トコジラミを簡単に捕獲できるトラップの作り方
害虫の中でもトコジラミは目に見える大きさです。また二酸化炭素に反応するという特性から、捕獲するためのトラップを作ることができます。
二酸化炭素を使ったトラップという事で、ドライアイスを使うのが有効です。またドライアイスを仕掛ける際、洗面器などの底の深い容器に入れ、トコジラミを登らせて逃がさないようにするトラップを作るとよいでしょう。
このトラップでトコジラミを完全に駆除とまではいきませんが、トコジラミは繁殖力がとても高いです。できる限り駆除をしておかないと大量に増殖してしまいますので、こまめな対策が必要となるでしょう。
自力で対処が難しい場合は駆除のプロへ
目に見えないダニがいる分、害虫が完全に駆除できているか不安。赤ちゃんや小さいお子様がおり、アレルギーを引き起こさないために、完全駆除を考えている人もいることでしょう。
また、さまざまな駆除方法を活用しても、目に見える状態で害虫駆除しきれていない場合もあります。
そういった場合は害虫駆除の業者に依頼するのをオススメします。害虫駆除の業者は、害虫が生きられない温度の熱駆除や冷却駆除をおこない、徹底駆除をします。
害虫の予防対策までやってくれる場合もありますので、衛生面での安心を求めるのであれば、業者に依頼をするとよいでしょう。
まとめ
● カーペットに潜む害虫は「ダニ」「ノミ」「トコジラミ」
● 害虫の中には人や動物に刺してきたり、アレルギーを引き起こす原因になったりする
● カーペットだけではなくフローリングの隙間にも害虫は生息している
● スチームアイロン + 掃除機、お湯、業務用洗濯機が有効
● 湿気をなくすために天日干しも有効
● 害虫予防としてレモンを消毒用アルコールにつけたものをスプレーするのが効果的
● 業者に依頼をするのもひとつの手段